だから私は岡崎体育になりたい
岡崎体育のライブの内容について部分的に記述しています。
岡崎体育のライブ初参戦でセトリ把握しようとしている方につきましては、「予習しなくても楽しいよ!!」と言わせてください。
最近ずっと「岡崎体育になりたい」と思っている。
友達に「とうとう気が狂った」と言われた。狂ってはいないし本気で岡崎体育になりたい。
ワールドハピネス2017で、初めて岡崎体育を観た。トップバッターなのに、よりによって最後の曲で、異常にシュールな1人コントをやってのけていた。
Okazaki child managementって曲なんですけど。
#寿司くん監督MV集
— 寿司くん (@koyammer) 2015年12月26日
岡崎体育「okazaki child management」
(ネット未公開作品) pic.twitter.com/mG3X5absiE
ワーハピだしスネークマンショー的なシュールさを意識したんだろうか。
多分、今年の夏フェスで一番攻めてた(攻めすぎとも言える)であろうステージに遭遇することができた。あまりにも衝撃的で、正直「何だったんだあれは」と思った。
その後もずっと気になっていて、Apple Musicでアルバム「XXL」を聴いた結果、まんまとどハマりした。久々にタワレコまでCD買いに行った。お金を払いたくて。
私みたいなニワカがどうこう言うのは非常に恐縮だが、岡崎体育はめちゃめちゃ賢いと思う。
例えば、夏フェス後半戦からセットリスト1曲目に入った新曲「STAMP」。オーディエンスに足踏みをさせてから、「皆さん足踏みするためにここに来たんじゃないですよね?!」って煽った後にひたすら躍らせる曲。
11月のワンマン『キミイロハートⅡ』でも「STAMP」は1曲目だった。私は初日と追加公演のZepp DiverCityを見に行ったが、岡崎体育の客層は尋常じゃないレベルで幅広い。
典型的なライブキッズからJCJK、ウェイ系大学生、ドンキ系ギャル、陰キャ系20代(私含む)、そしてご両親的雰囲気を纏ったおっちゃんおばちゃんまでもが、ライブハウスできゅうきゅうに詰め込まれていた。
これは完全に余談だけど、ワンマン会場に今年のワーハピTシャツを着た紳士がいらっしゃったのはめちゃくちゃ嬉しかった。例のやつを見て沼地に引きずり込まれたのは私だけじゃなかった。
閑話休題。「STAMP」は、出自がてんでバラバラな観客達に対して、足踏みという準備体操を提供することが肝であるように感じた。1曲目の頭に準備体操を挟むことによって、跳ねたくてしょうがない人もライブ慣れしておらず勝手が分からない人も、みんな一様のテンションで踊って楽しめるようになるという算段だ。
老若男女がZeppで縦ノリしている光景は壮観で、謎にうるっときた。
全国各地の夏フェスを巡って色んなお客さんの様子を見てから、この曲のアイデアを出して制作・投入したのか思うと、なんかもうめちゃくちゃに賢いなあと思いませんか?私気持ち悪いですか?
兎にも角にも、岡崎体育は賢い。大衆がいま何を求めているのか、大衆に応えるためには何を狙って何を敢えて外すべきなのか、それを見極める眼力こそが岡崎体育を岡崎体育たらしめている。
そして、その自負と覚悟が「30歳までにさいたまスーパーアリーナでワンマンをやる」「日本の商業音楽でてっぺん取る」との発言に現れているのではないだろうか。
しかし、彼が商才に長けていることは事実であるものの、そこで彼が“商売人”として全てを割り切れる性格でもないことを強調したい。
いま世間から求められている音楽と、自分が本当にやりたい「カッコいい音楽」との間にギャップが存在していることを、岡崎体育はインタビュー等で隠すことなく公言している。
ぼくりり:今はやりたいことをしていない?
岡崎:究極的には、やりたいことではないかもしれない。ウケたときは嬉しいし気持ちいいけど。できることなら、カッコイイ音楽をやりたい(笑)。
(Music Videoについて)ライブ50本以上やってますけどまだ4回くらいしかやってなくて。だから変なワガママが出ちゃうんです。まだ世の中には迎合したくないというか。
太田出版 Quick Japan(クイック・ジャパン)Vol.132 33ページより
板挟みの苦しみに思い悩む日は、時に泥臭く、時に繊細に、時にうら悲しいまでの決意と共に、思いの丈を深夜帯のツイッターにぶつけたりしている。
その姿は、セルフプロデュースに拘り「天才」「奇才」と称されるアーティストの風格とは程遠い。少しだけ内向きでナイーブな、20代の青年そのものだ。
メジャーというフィールドに立ったとき、道化として生きる葛藤があった。
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2017年12月1日
プライドは捨てたと思っていたけど、新しいプライドを拾った気もする。
道化のプライドを胸に。
俺は岡崎体育。
それでもその翌日には、彼は何事もなかったかのように、岡崎体育としてライブ会場に現れる。
そして普段通り卑屈なMCを挟みながら、普段通りネタ曲中心のライブでオーディエンスを盛り上げるのだ。
セットリストの節々に「カッコいい音楽」の要素を散りばめることで、ほんの少しだけ世間に逆らいながら。
大学カースト低めキャラの歌です
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2017年9月29日
弱者/岡崎体育 Lyric Video pic.twitter.com/ItxDjtty7K
賢くて泥臭くてカッコ悪くて、めちゃくちゃにカッコいい。最強の弱者。
カッコいいんだよ岡崎体育は。
以上、「私には岡崎体育がこういうふうに見えているので岡崎体育になりたい」という話でした。なっが。きっしょ。
『めっちゃ自分の世界観入り込んでるやん 岡崎世界観か』(Voice Of Heart2より)
いろんな方向あるじゃないですか。
そのなかでも僕が好きな方向。教えますね。みんな全然興味ないと思うけど一応教えますね。
えー、でもいざ言うとなると恥ずかしいなあ。
あんまり言う機会ないもんなあ。好きな方向。
あーやばい、もったいぶったら余計言いにくくなってきた。
いやーでも教えるって言った手前なー、言わななー。んー、よし言おう。
「上」でーっす♡